全頭診断その1
出走馬18頭をその1、2、3で各6頭に別けて評価して行きたいと思います。
良くあるアルファベットでの評価はありません、シンプルに全レース何度も見直して感じた私個人の主観になります。
クロワデュノール
新馬戦はパドックから落ち着きなく幼さ全開、それでもレースに向かうと1.46.7と言う異次元のタイムで圧勝した。
東京1800m戦の新馬戦で1.46秒台を記録した馬はこれまで1頭も存在せず最速タイム、これを東京Cコース最終週で記録してしまうのだからこの時点でこの馬が規格外である事は伝わると思う。
11.9-11.5-11.3-11.1-11.5(ラスト5F57.3)、有馬記念が終了した直後に今年の中山は後半力が例年以上に問われとポストしたよう、ホープフルSも例外ではない。
恐らくこの中山2000m戦も結局は後半力が勝負を分ける決定的な要素だと思っているので、この馬の後半5ハロンは相当な武器になってくる。
前走の東スポ2歳Sは陣営が掲示板に載れたら良いレベルと話すほど相当調子が落ちていたようで仕上がりは6~7割も無かったと公式でコメントしている。
それでいてメンバー中最速の上がりを使って完勝、100%の状態なら何馬身突き離していたのだろうか…
前走+24キロの馬体を絞って今回は9割以上で挑んでくるだろうし中間の陣営コメントを見ても前走とは別馬(良い意味で)と話すほど動きが前走とは別格
初の右回り、初の中山、初の多頭数と叩けばいくらでもホコリが出てきそうではあるが、粗を探せば2歳戦なんて全馬に未知数な部分はある訳でこの馬に限った話ではない。
どれだけデメリットを並べようが、それを全て飲み込むほどここまでの内容と前走からの上積みが大きいので人気は確実だが無難に走ってくると思います。
アマキヒ
新馬戦は内枠スタートだった事が非常に大きく、スタート直後のコーナーを利用してナチュラルにハナを取り切る騎乗は惚れ惚れするほど(C.デムーロ騎手)
そこから1000m通過1.02.7秒のスローペースに上手く落としており、4角途中で早めに外からプレッシャーを受けるが道中かなり息が入っているので手応え良く再加速
直線はロジャリーマインとの一騎打ちで一旦は差されたが、内から盛り返してデビュー戦を突破
そのロジャリーマインは次走上がり最速で1馬身半の完勝、離された3着馬マテンロウムーブも次走上がり最速で即勝ち上がりを決めており超が付くほど新馬戦のメンバーレベルは高かった。
1戦1勝の身ではあるが、その1戦のメンバーレベルと綺麗な加速LAP(12.6-12.4-11.6-11.3-11.1)を見る限りここで通用しても全く不思議ではない馬
しかし前走のレースを何度見てもC.デムーロ騎手のスタートから道中、4角の動き出しまで全てが完璧で100点どころか120点を付けても良いくらいの騎乗だった。
ホープフルSでこれだけ前半スムーズにポジションを取り、気分良く道中息を入れながらスローで直線を迎えて終いを伸ばすと言う競馬が果たして出来るのか?
その部分に関してはやはり2戦、3戦と使ってきた馬にアドバンテージがあるだろし、今回はクロワデュノール、マスカレードボール、マジックサンズなど既にOP以上でレベルの高いメンツを撃破してきた馬との対決
まだ見えていない未知の部分に期待が膨らむのは分からないでもないが、前走あまりにも上手く行きすぎ感あり、一気のメンバー強化で実績不足となるなら個人的な考えとしては切りで考えたい1頭
デルアヴァー
新馬戦はスタートで両サイドの馬に反応して頭を上げて出遅れ気味、後方インのポジションでレースを進める形となった。
福島コースらしく向こう正面で外の馬が早めに動く中で三浦騎手は他馬を行かせるほど余裕(かなり好判断)で4角から進出開始
一瞬にして前の馬を捕まえると1馬身半の圧勝、上がりは2位に0.4秒差つけ短い直線の福島競馬場を考えれば優秀
しかしインで競馬していた馬が全滅しているので、出遅れたこの馬が結果的に展開の恩恵を受ける形となっているので簡単に鵜呑みにしてはいけない1戦
2戦目の東スポ2歳Sでもスタート出遅れ、3角でロス無くインを選択し直線は上がり最速とパッと見では評価出来るが自分よりも外で競馬していたファイアンクランツと末脚比べで劣っており微妙
そのファイアンクランツはマジックサンズに2走前で3着と先着を許しており、今回それよりも評価されるクロワデュノール、マスカレードボール、そしてそのマジックサンズが出走する中で力関係的にも難しい部分がある。
ここまで全て出遅れ→上がり最速で多くの予想家が穴馬と指名しそうだが、中山2000mでの出遅れは致命的だし、その自慢の上がりも前走のファイアンクランツとの比較で全く相手になっていないので評価できない。
上がり最速だけが期待感として先走っている印象で、レースリプレイを見れば上がり最速と言って良いのか疑問視できるレベルなので、なるべく人気を吸ってほしいなと感じる1頭
ジュンアサヒソラ
新馬戦はそこまでスタートは良くなく、道中スローペースでなんとか追走している感あり。
直線は完璧なタイミングで外に出すも12.5-11.6-11.1の加速LAPには一切対応できずに3着敗退
2戦目はルメール騎手配置で勝負レースだったと思うが大外枠もあってスタート直後の1コーナーでかなりポジションを落としている。
それでも道中上手く息を入れたのもあり4角ではポジションを上げ前の馬を射程圏内に入れるも2馬身半届かずに敗戦
3戦目でようやく勝ち上がるも最後の直線で抜け出してから差を詰められ、あと10mもゴールが先だったら抜かれていたほど終いの脚に自信がない馬
ポジションを取ればラストはジリ脚だし、溜めても加速LAPに対応できないくらいの馬なので、どの方面から見てもここでは相手が悪すぎる印象、走ったら事故レベルなので軽視
ショウナンマクベス
新馬戦はスタート良くハナを取り切ると、スローの流れが味方して11.4-11.3-11.5と後半にも余裕を感じる逃げ切りだった。
しかしギリギリまで追い詰められた2着馬コスモコロネットは4戦走るも最高4着と未だに未勝利戦なのでメンバーレベルは少し疑問
2戦目の札幌2歳Sでは抜群のスタートを切るも、岩田騎手は手綱を引いて差しに変更
これが良くなくて道中初めて包まれる形になり顔を上げてかなり嫌がっている様子、4角でも他馬を気にしてポジションを下げており直線はもう馬がレースを辞めてしまった。
重馬場が影響したのか不明も、全く良さを出すことが出来ずに敗退しているので度外視しても良いレベル
前走は口を割る場面もあったが向こう正面で1頭だけになると非常に落ち着いて息が入っており、直線は脚が溜まっていたこともあり先行抜け出しで勝利
札幌2歳Sのレースになっていなかった場面を見ると気性的な部分が課題で、今回もフルゲートで小回りとなると同じパターンは簡単に想像出来るかなと思う。
結局この馬が勝っているのは広い東京コースのみで、G1の厳しい流れで中山多頭数となると中々難しい結果になると思っています。
リアライズオーラム
新馬戦はゲートの中でのんびりしている途中でスタートし案の定出遅れ、後方からのレースになったが3角入口から進出開始
直線は上がり最速で先に抜け出したアスクシュタインに迫るも完全に脚を余す形で2着に敗退
流石に新馬戦特有のスローで直線短い函館だと逃げ馬が11.5-11.7-11.5を使えば後方は苦しい1戦だった。
新馬戦も1.7倍と断然人気だったが2戦目は更に売れて1.2倍、しかし当然のように今回もスタート出遅れ後方から
佐々木騎手も新馬戦からこの部分は頭に入っていただろうと感じるほどリカバリーしていたが、1枠1番の影響で1コーナーで前をカットされ結局後方へポジションを下げた。
道中も外の馬とラチに挟まれて全く身動きが取れず直線もインで窮屈な差しとなり5着に敗退
2戦連続の取りこぼしで佐々木騎手がこの馬から降りてしまう事になったが、正直レースを見る限りは誰が乗っても不器用過ぎて難しい馬
そもそも函館も札幌も全くこの馬に合っていない印象で、騎手を替えるよりも広いコースを使うだけですぐに勝ち上がれそうな印象を受けた。
間隔を取って京都コースを選択し挑んだ3戦目、川田騎手に鞍上強化もやはり安定してスタートが悪い馬
直線もインの狭いところを上がってくるも、これで何度目かとツッコみたくなるような脚の余り具合だった。
やはり騎手を替えてもここまでの2戦とやってる事は同じ、函館や札幌よりも道中広く動けるのでその分内容は良くなっているが毎回1歩足りないレースが続く
ようやく初勝利となる前走だがようやくスタートが決まり内に1頭を見ながら道中~直線まで横移動一切なし。
これで勝てなければもう一生未勝利戦と言うレベルの内容で、広い東京コースに替わった事がこの馬にとっては非常に大きかった。
ここまでのレース回顧から伝わるように、とにかく不器用で広いコースでないと難しい馬、中山で多頭数がプラスに働く訳は無いので当然ここでの評価は厳しい。
前走のレースを見直しても恵まれすぎなので、ようやく掴んだ1勝ですがG1どころか自己条件ですら厳しいレースになるだろうと言う印象です。
まとめ
本日は全頭レース回顧その1(全3回)と言う事で6頭を見てきましたが「この中で1頭しか買えないルールならどの馬を選ぶのか」
該当馬1頭を次回更新までブログランキングへ公開しておくのでチェックしてみてください。
木曜日に6頭、金曜日に6頭で全18頭の全レース回顧をして行きたいと思います。お楽しみに。