新潟2歳S
☆ジョリーレーヌ(想定6人気)
※netkeiba火曜日時点
新馬戦の勝ち時計1.39.9は1人気濃厚のコートアリシアンと比較しても+4.8秒も遅いが、スタートから番手以下が揃って手綱を引き続け、道中は非常に落ち着いたレース展開だった。
レースLAP13.6-12.5-13.1-13.2-13.0の1000m通過1.05.4と言う超スローペース、稍重の馬場も多少影響しただろうが、前があまりにも引っ張らない形で、展開的に時計が遅くなるのは当然の流れだった。
こうなると後ろの馬はポジション的に厳しく、逃げたナクライトが直線で突き離す流れだったが、この馬は後方大外から物凄い脚で全馬まとめて差し切った。
ラスト3ハロン12.2-11.4-10.9は前半かなり歩いた分の加速LAPではあるが、スローの瞬発力勝負では非常に強い競馬を見せてくれた。
今年の新潟2歳Sは前走逃げた馬がシンフォーエバー(スローの単騎逃げ)のみ、他は1200m戦からの距離延長馬が数頭いるが、終いを活かす競馬をしてきた馬が多く、小頭数も重なって例年通りスローからの瞬発力勝負が濃厚
そうなると前走一気のギアチェンジから見事な瞬発力を見せてくれた同馬が望む展開になりやすく、時計の遅さから軽視され妙味が上がっている点を含め面白い。
一週前の追い切りも馬なりでラスト11.3、日曜日には坂路で自己ベストを大きく更新しており、乗り込み量、動きの質など含めても新馬戦から相当パワーアップしているように感じる。
新潟の週末の天気予報は雨マーク、前走の時計が速い順番に人気馬が並ぶ中で、個人的には1戦1勝馬の持ち時計など参考にならないと思っているので状態の良さを活かして頑張って欲しいなと思います。
☆トータルクラリティ(想定5人気)
※netkeiba火曜日時点
新馬戦は大外枠から抜群のスタートを切るも、内の各馬を行かせて控える形を取る、後ろから追い抜かれる形で馬が反応してしまい、北村騎手が手綱を引っ張って抑えるのに必死だった。
結局最初のコーナーまで頭を上げて口を割っており、スローの展開ではあるが見た目以上に消耗していた。
3コーナー中間地点から抑えきれない手応えで外目を上がって行くと、4角出口では出走メンバー中1番外を回しながら前を射程圏内に捉えた。
直線は単勝1.7倍に支持されたラトラースが抜け出すところを外から末脚を伸ばし、ゴール前寸前で差し切りデビュー戦を勝利
1000m通過は1.02.4秒で新馬戦特有のスロー、上がり3ハロン33.9秒で差し切り勝ち、ラスト4ハロンのLAPを見ると12.6-11.8-11.4-10.9と加速し続けているのは非常に評価したい内容である。
あれだけ前半競馬を教え込んでいた中で、直線は加速LAPの連続で、デビュー前から評価されていた圧倒的人気のラトラースを一瞬で差し切った瞬発力は新潟に替わっても非常に楽しみな存在
2着以下の上位馬に2戦目の出走馬がいれば比較しやすいが、10頭立てで6着、8着、9着、10着と惨敗組しかまだ次走を使われていない。
その着順を見ると上記の惨敗組でも半数が次走で即馬券内に好走しており、出走全馬が新馬戦の時よりも着順を上げているので上位馬含めレベルは低く無い新馬戦だと感じる。
中間の追い切りは併せた相手に遅れを取った事からイマイチ…微妙…などと言った声も多いが、併せた相手がワールズエンドと聞いて個人的には納得
この馬はすでに2勝を挙げ、ディスペランツァよりも0.3秒速い上がり32.1秒と言う究極の末脚をアーリントンCで記録した馬
更には斤量の軽い騎手が乗っていたのであれば、偉大な格上馬相手に負荷の掛かる内容で良く0.1秒差以内で併せて来たなと。
終いもラスト11.6とキレ味を見せており、マイナスどころかプラスしかない濃い追い切り、これで評価下げるなら何だったら良いんだと言う程の順調な追い切りだと感じます。
少し心配なのが関西馬なので輸送があり、レース内容からも前向きな気性なので当日のテンションはキープして欲しいところ。
テンションについては陣営も心配している部分なので、もしパドックまで待てる人は注視した方が良いかもしれません。
週末は雨予報の新潟なので馬場が渋って他が苦にするならバゴ産駒でこちらは楽しみが多いですし、新馬戦のレース内容からも余力しか感じない馬なので、現在5人気想定なら馬券的に面白い存在になると思います。
キーンランドC
☆ゾンニッヒ(7人気想定)
※netkeiba月曜日時点
3走前のモルガナイトSは8枠15番スタート、道中も外を追走し3角〜4角でも内に入る事が出来ず、出走メンバー中では最も外を通っていた。
1着馬アサカラキングはラチ沿いをぴったり逃げて来た馬、2着馬モリノドリームもイン捌いてロスなく立ち回った馬で上位は決着した。
イン前の馬に上手く粘られたが、ゾンニッヒの道中を見るとロスが大きく、末脚の温存ができないまま直線に向いており、勝ち馬と0.5秒差なら大きく評価を落とす必要は無い。
2走前の函館スプリントSでは、またしても8枠を引いてしまい道中〜3角入り口は外目で大きなロスあり。
更に直線に向いてからはキミワクイーンが前で邪魔になっており若干のブレーキ、他馬が追い出しに入る中で完全に仕掛けが遅れてしまった。
しかし直線残り100mだけで一度離された馬を全て抜き去っており、ゴール板通過後は全馬まとめて差し切る勢いだった。
勝ち馬のサトノレーヴはインを上手く捌いた浜中騎手の好騎乗、2着ウイングレイテストも4角先行ポジションから粘っており、小回りスプリント戦らしくイン前が強いレースだった。
ゾンニッヒは着順こそ6着と掲示板に載らなかったが、上位馬と比較しても1頭だけ別の競馬をして差し込んでおり、負けて強い競馬だった。(直後に激走ランク指名馬へ登録)
前走のしらかばSは道中最後方からの競馬になり、4角も出走メンバー中1番外を回す形でロスが大きい競馬だったが、直線だけで全馬をまとめて差し切り勝ち。
次走即買いのパターンで見事1発回答してくれた。
ラスト3ハロンは11.3-11.4-11.5とレース映像を観ると良くわかるが、札幌開幕週も重なって前に行った馬がほとんど減速する事なくゴールまで余力十分に駆け抜けている。
それを1頭だけ大外のロスがありながら、短い直線だけで他馬に0.5秒差の上がりの違いを見せつけて完勝
直近2戦の敗退が決して力負けでは無い事を証明してくれるような非常に強い勝ち方だった。(レース映像観れる方は是非観て欲しい)
昨日の札幌芝レースを観ると、前半スローだった札幌記念を除けば適度に外差しが目立っており、札幌6日目になる今週のキーンランドCはバイアス的にも追い風になる。
少し心配なのが昨年も出走しており、8着に敗れていますが、レース後のコメントで武豊騎手が「この馬にとっては馬場が重過ぎた」と残している点です。
昨年は重馬場開催でしたが、今週の札幌の天気予報を見ると雨マーク、平日から降る予報で水捌けの悪い洋芝となると今年も馬場状態が心配になってきます。
あまり降るようなら今年もナムラクレアで仕方ない選択になるかもしれませんが、この後の枠順発表、天気予報など気にしながら今週も考察を楽しんで行きたいと思います。