マーメイドS注目馬
現時点で登録24頭と多く、抽選対象に展開の鍵を握っている馬も多数、更には枠順が重要なレースなので何も決まっていない中で予想するのは正直かなり難しい。
そこに週末の雨予報、京都Dコース開幕週でバイアスなど土曜日のチェックも必要になってくるので、あくまで現時点での注目馬
【アリスヴェリテ】
3走前はスタートを決めて手綱を激しく動かした訳ではないが、ナチュラルに外からハナを取り切って1000m通過59.4秒のハイペースで逃げ
3〜4コーナーでは息を入れた事もあり後ろと差が詰まったが、直線に向いてから再度突き放す非常に強い内容だった。
2走前はスタートで若干もたついて他に行く馬もいたので番手に控える競馬、道中はロスなくインを追走し4角出口で完璧なインアウトを決めた騎乗
1000m通過1.02.3のスローペースでラスト4Fは11.9-11.6-11.7-11.9と逃げた馬もかなり余力がありコーナー位置から着順は変わらず
上がり最速を使って差を詰めるもベリーヴィーナスを捕まえる事が出来ずに2着に敗退、しかし勝ち馬にとってはかなり楽な追走LAPでポジションの差がそのまま出た結果となった。
前走は3走前同様にナチュラルにハナを奪うと1000m通過56.8秒という超が付くハイペースで大逃げ
ラスト4F11.9-12.0-12.4-12.8と流石に減速したが新人騎手らしい前走の敗因をしっかりと考えた大胆な騎乗だった。
直近逃げたイメージが色濃く、今回も大逃げハイラップを想像する方は多いだろうが、個人的にこの馬に関しては逃げなくても良い馬だと思っている。
3ヶ月休養明け昨年夏からここまでのレースを観る限り4角位置からゴールまで1レースも着順を落としておらず、末脚の使える逃げ〜先行馬である。
逃げずとも前目から上がり1〜3位を記録しているレースも多く、直線の伸び脚を観てもリズムを崩して無理矢理逃げるくらいなら他を行かせて番手からでも良い馬
今回は前に行きたい馬も多く、2走前にハナを譲ったベリーヴィーナスも出走する事からペースが流れる可能性は高い。
ベリーヴィーナスは直近だとハナを取らないと結果が出ていない事もあり、スタート次第で行けるなら何が何でも先手を取りたいだろう。
ここに無理矢理ついて行くくらいなら番手からでも全く問題ないし、流石に2走前はベリーヴィーナスとって展開が向きすぎたのもあるが今回はこんな楽な条件ではなく斤量も当時より3キロ差ある。
他の軽斤量馬が積極的に競馬をしてくる可能性なども含め不確定要素が多いが、永島まなみ騎手に変わった事もあり大逃げの可能性は低いと感じる。
3歳時にはアルテミスSでリバティアイランドと着差0.0秒の3着に粘った実力もあるし、週末雨が降ったとしても稍重〜不良1-3-0-0連対率100%
逃げないと行けない馬よりも4角前目からゴールまで必ず脚を使ってくれる強み、更には直線平坦コース3-3-1-0好走率100%と絶好の舞台
2勝クラスから一気の格上げも低調なメンバー構成に上位は重い斤量、こちらは50キロとなれば舞台適正や2桁人気のオッズ妙味含め楽しみな1頭
【ホールネス】
3走前は2200m戦にしては1000m通過59.9と流れており後方に控える形に、4角出口で若干スペースを失ったが直線はインから抜け出し勝利
開催が進んで内馬場の痛みが激しく色が変わっており、同じラインを通った馬は直線減速していたが、進路を変え馬群を縫って伸びない内から突き抜けたのは非常に強かった。
2走前は距離短縮戦で鞍上の西塚騎手はポジションを取りに行くような動き、馬群の切れ目の位置をキープしながら追走
直線に向くと追い出しに入ったタイミングで前をカットされる不利があったが、再度外目に出してからは非常に長く良い脚を使い上がり最速で完勝
前走は4角出口で前が壁、外の馬にブロックされ出しどころが無かったがインの狭い場所から重馬場を全く問題にせず上がり最速で1着
ここまでキャリア4戦とデビューが遅れたが、その全てが非常に内容の濃いものとなっている。
多頭数の経験、包まれてから馬群を割る経験、スロー瞬発力戦、ハイペース持久戦、良馬場、重馬場、これら全てをクリアし結果を出してきた馬
驚くのがデビューから2戦目+10キロ、3戦目+10キロ、4戦目+6キロと全て体重を増やしながらの連続勝利
まだ底が見えていない中で1戦毎に成長し、強い追い切りを消化出来ているのは非常に好材料だろう。
2勝クラスから一気の格上げになるが斤量52キロ、雨が降って馬場が重くなっても関係無かった前走、馬群を割って上がり最速を出せる末脚、極端な脚質でもないし上積みしかない馬にこれだけ妙味あるなら楽しみな1頭
【タガノパッション】
特に強かったのが3走前の愛知杯では無いだろうか?
先に抜け出したミッキーゴージャス、コスタボニータの外から直線上がり最速で差し脚を伸ばして2着
もし後50mもあれば勝ち馬ミッキッキーゴージャスを差し切っていた程の末脚だった。
3勝クラスでも勝ち切れず、OP戦では馬券外が続いていた馬が何故これほどパフォーマンスを上げて来たのか?
気になったので少し戦歴を深掘りして調べて行く事にした。
愛知杯(通過LAP)
12.2-10.4-10.9-12.0-11.9-12.3-12.4-12.2-11.6-12.0
まずこのLAPを見て分かるのは1000m通過57.4秒というかなりのハイペース
グランスラムアスクが1枠1番を引いた事によりスタートを決めて53キロの軽ハンデを活かして飛ばした前半だった。
道中ロス無く内目を立ち回った事もあるが、直線でインから外に切り替えると直線は別馬の様に脚を伸ばしてきた。
これだけのハイペースでパフォーマンスを上げてきている事をヒントに過去レース1000m通過タイムで着順を調べてみると…
前半59.4秒以下【1-1-3-1】好走率83.3%
前半59.5秒以上【1-1-6-6】好走率57.1%
上記の通り好走レンジがハイペースに集中している事が分かる。
芝1800m〜2000mに限定して調べると前半流れるレースの方が圧倒的にパフォーマンスを上げているのである。
スローペースからのよーいドンだと絶対的なスピード値が低いこの馬に取っては取りこぼすレースが多いのだろう。
特に前半59.4秒以下のレースは1度しか馬券外に飛んでおらず、驚く事にその馬券外1回も4着と惜しい内容だった。
馬場差や立ち回りと言った違いはどのレースでも多少あるとは思うが、シンプルに前半59.4以下で流れてしまえば、必ずゴール前1〜4着まで来ているのが素晴らしい。
という事で、今回のマーメイドSはタガノパッション向きのハイペース戦になるかどうか?
ここがこの馬を買うのか買わないのか1つの判断材料では無いだろうか。
このレースの逃げ馬候補は現時点で2頭
アリスヴェリテ
ベリーヴィーナス
どちらも直近3走内逃げて2勝と今回もハナを主張する可能性が非常に高い。
アリスヴェリテが逃げた前半1000m
3走前59.4秒(稍重)
前走56.8秒
ベリーヴィーナスが逃げた前半1000m
2走前1.02.3秒(重)
前走59.6秒
2走前に直接対決があったが、この時はアリスヴェリテが控えてベリーヴィーナスにハナを譲る形でスローペースとなった。
馬場が重たかった事もあるが、この敗戦で今回のマーメイドSでは同じくアリスヴェリテが再度控えてベリーヴィーナスに譲る可能性は非常に少ないと感じる。
その後のレースを見ても負けた事が控えた事によるものと言わんばかりの超ハイペースで逃げて勝利
対するベリーヴィーナスも直近の連勝は全てハナを切ってのもので、楽にハナを奪うアリスヴェリテを見て黙って譲るとは考え難い。
お互いの前走が京都2000mと言うことで前半1000mを見ても56.8秒、59.6秒、この間を取っても今回59.5秒を切ってくる可能性は高いのではないだろうか。
条件戦から重賞になってペースが楽になるとは考え難く、他の軽量ハンデ馬が積極的に絡んで行く可能性もゼロではない。
アリスヴェリテが柴田騎手続投なら大逃げを打っていた可能性が高いが、永島まなみ騎手に乗り替わった事で正直どうなるのか読み難い部分はある。
もちろん動物なので出遅れる可能性や急に行きっぷりが悪くなる場合もゼロではないが、ここまでの個人的な予想だと今回はタガノパッション向きの展開になる可能性が高いと感じる。
週末予想されていた雨予報も嘘の様に回復傾向で、恐らくこのまま良馬場で開催されるのでは無いかと思う。
馬場的にも軽ハンデが揃ったメンバー構成からもドスローまで落ちるようなマーメイドSは考え難くい。
更にご存じの通り今回も据え置き53キロとかなり恵まれた印象で、これがどれほど有利なのかと言うと…
愛知杯
1着ミッキーゴージャス
2着タガノパッション(上がり最速)
3着コスタボニータ
↓
上記からマーメイドS斤量比較
ミッキーゴージャス54キロ→56.5キロ
タガノパッション53キロ→53キロ
コスタボニータ55キロ→56キロ
直接対決してきた馬のハンデがグッと上がっているのに対してこの馬は53キロから変わらず。
他の条件戦を勝ち上がってきたばかりの馬と比較しても既に重賞で結果のあるこの馬にとってはかなり恵まれた印象で、想定オッズ12番人気なら面白い存在になりそう。
あくまで想定オッズは想定、当日の人気は今の段階では誰にも分からない事なので、出走馬が確定し枠の並びやバイアスを考慮しながら最終的に判断したいと思います。